「ポプテピピック」と「水星の魔女」に、刻の涙を見る (2022年10月)

「ポプテピピック」の2ndシーズンが始まりまして、1stシーズンで狂喜乱舞した私は喜び勇んでおります。今現在、まだ第1話しか放送されていませんが、相変わらず「どこかで見たことがあるなにか」をパロディにして乱射し、その元ネタを理解しようとしてるうちに次のネタが始まり、展開を追いかけているうちにあっという間に15分が過ぎるという、視聴者置いてきぼりの暴走ぶりがすごいアニメになっております。

 

 で、この「ポプテピピック」ですが、私はこの作品を、いわゆる「コピー世代」の作り出した邪道の傑作ではないかと思っています。「コピー世代」と言うのは、過去のクリエイターたちが作り上げたコンテンツをベースになにかしらの作品を作り世に送り出した世代で、「エヴァンゲリオン」の庵野監督や、「輪るピングドラム」の幾原監督などがよく、自分たちのことを最初のコピー世代のクリエイターだと言っています。

 

 上記の2人は、過去にあった名作アニメや特撮をベースにした上で、庵野監督は自身の私小説を表現し、幾原監督は少女や少年たちへのメッセージを表現した作品を作ったわけです。しかしながら、この2名はその上の世代の知識人(というか、オタク)からはけっこう叩かれていました。と言いますのは、クリエイターというのは「新しいなにか」を見せるのが仕事なわけですから、以前あったコンテンツをベースに同じコンテンツの作品を作るようなことは、それ以前のオタクたちから見たら、あまり良いとは見られなかったわけです。(アニメからアニメを作ることを、それ以前のクリエイターは嫌っていたんです。なので、例えば昔の小説や伝記などをベースにアニメや特撮を作ることはあんまり叩かれなかったのですが。)

 

 ところが、その後の世代の新房監督などは、もうコピー世代のコピーを堂々とやって、さらに遊んでしまいました。つまり、この世代になるともうアニメや特撮をベースにアニメや特撮を作ること作ることが普通になったのです。このようになった理由は、まずはアニメや特撮がエンターテインメントの最先端であり続けたことと、前の世代である庵野監督や幾原監督たちが新世代のクリエイターを批判するようなことがなかった(自分たちが批判されたことを、同じように批判したくなかったんでしょうかね)のが原因と思います。

 

 で、その結果、コピー世代のコピー世代(『エウレカセブン』の京田監督は、自分たちのことを『孫コピー世代』とか言ってるそうですな)は、前のコピー世代があまりやらなかった「悪ふざけ」をけっこう堂々とやり始めてしまいました。悪ふざけパロディの元祖としては、漫画「マカロニほうれん荘」や庵野監督が学生時代に作った「愛國戦隊大日本」などがあるかも知れませんが、新房監督の「ぱにぽにだっしゅ!」は、ポプテピピックがやっている「悪ふざけパロディの乱射」の先駆けで、途中途中に乱発的に組み込まれるパロディの元ネタを探す地獄であったことを覚えています。

 

 で、ここまででなにを言いたいのかと言いますと、コピー的な作品を作ると批判されていたものが、だんだん批判されなくなり、ついにはコピーのコピーで遊んでしまうようになった、という日本のアニメや特撮の歴史を、私は見てきたのだなぁ、としみじみ思い、時の流れを感じてしまいました。もっと簡単に言いますと、歳取ったなあ、と…

 

 まあこのように思いましたのも、「水星の魔女」の第1話を見た感想が「これ『少女革命ウテナ』じゃないの?」と思い検索したら、ウテナが25年も前の作品であることに愕然としたのが原因なんですけどね…。ホント、歳を取りました…(涙)

 

 

 |・ω・`)  ダレモイナイ・・ツイキスルナラ イマノウチ

 

 |・ω・`)  「水星の魔女」PROLOGUEと2話まで見たけど、ウテナみたいな設定は陽動で、

    ウテナではあんまりやらなかったスクールカーストの話をやる気なのかな?

    ウテナはウテナ自身がカースト上位だから、その関係の話があんまりできないんだよね。

 

 |・ω・`)   本筋は呪い、すなわちスクールカーストとか親とか古いシステムとか以前のガンダムとかから

    主人公たち(=視聴者である現在の少年少女のメタファー)を解放するお話になるんですかね…

    真のラスボスはプロスペラ、というのがわかりやすいOPの演出も含めて、

    大河内さんの脚本なので、割と理解しやすいお話になるんじゃないかな。

 

 |・ω・`)   もしかしたら、大河内さん自身の、富野という呪いからの解放も目論んでるかも知れない。

 

 |)彡サッ

 

 

 |・ω・`)  …モドッテキチャッタ

 

 |・ω・`)  3話見たけど、敵側にもAIを出したのは、流行りのAIと人間の関係の話もやるつもりなのかな?

    意志を持つAIって、ガンダム界隈ではALICEとかでお決まりのネタだから

   「またいつものか」と思って、AI関連の話の方向に気が回らなかった。

 

 |・ω・`)  というか、エアリアルに入ってるのはファティマとしてのエリクト、とかだったら嫌だな、

     とか思ってたら、同じようなこと考えてる人がYoutubeにいっぱいいるわ…

     この設定ですぐ思い出すのがEXAMシステムとかニューロノイドなのがおっさんの証拠。

 

 |・ω・`)  こんなこと考えてたら「ベターマン」について話したくなった。

      こういう話ができる友達が欲しい (´;ω;`)

 

 |・ω・`)  ちなみに、ベターマンのニューロノイドは複数の高等哺乳類の大脳皮質が搭載されている

      という設定で、当時かなり斬新だった。エアリアルにも複数入ってるかもね。

 

 |)彡サッ